11月19日に還元焼成をしました。その還元焼成についてあまりよく分からない方もいらっしゃると思いますので焼いている時の様子とともに説明します。こんぺい陶は電気窯なので窯の側面からガスバーナーで還元炎を炉内に送り込む方法で行います。還元炎とは少ない空気で不完全燃焼させながら焼く時の炎のことです。
950℃までは酸化と同じように焼成し、焼き物の素地や釉の中の水分、有機分、結晶水を十分に分解燃焼させます。
950℃から1250℃になるまで、還元炎で焼成を続けて、今度は焼き物の中の酸素を奪い、還元反応を起こさせます。還元反応が起こると焼き物の中の鉄分と反応して鉄分の多い赤土は酸化焼成よりも赤褐色になるのです。
奥に見える二本の線は熱線です。これから還元焼成を始めるところです。
火を入れてしばらくすると空気穴から赤い炎が出てきます。還元焼成中はガス圧と空気の量を微調整しながら続けていきます。空気の量の調整は繊細で空気量の調節次第で焼き上がりに影響があります。
ここから入れています。↑
9時くらいから始めて、15時半位まで火を入れています。1250度が目標温度です。950度の時よりも窯の中の色が橙色から黄色に変化しているのが分かります。温度計のない時代の窯焚きはこの色で温度を見極めるしかないですね。
自動制御のマイコン焼成なので火入れ以外はこの機械におまかせです。それでも温度設定などを少しでも変えると焼き上がりが違ってきますし、毎回同じようにやっても同じような焼き上がりになるとは限らないので奥が深いです。