手びねりで作られた急須です。火襷(ひだすき)と言って素焼きした作品に直接、藁をたすき状に巻きつけて焼くと藁の跡が緋色に焼き付いて趣きのある焼き上がりになります。火襷の模様は、藁のカリウムなどの成分と、素地の鉄分などの化学作用によるものです。元々は作品を重ねて窯詰めをする際に、作品同士ががくっつかないようにするために藁を巻いて焼いていたものが現在まで備前焼きの技法の一つとなって続いているのです。
手びねりの自然な指跡と藁の緋色が良い感じです。作者のKさんがしばらくお茶を淹れて使用してから画像を撮ったので焼き上がり直後よりも土肌が艶やかになっていました。使って育てていくのが楽しみですね。